火曜日, 6月 20, 2006

[論点整理]:上海協力機構

ここ数日のニュースの中でも重要と思われる上海協力機構について、簡単に論点まとめます。
適当でないところ、付け足すべきこと等あったらコメント下さい。

●概要
上海協力機構(SCO –Shanghai Co-operation Organization)はユーラシア大陸6カ国による多国間協力組織。

加盟国は中国・ロシア・カザフスタン・キルギス・タジキスタン・ウズベキスタン。
現在モンゴル、インド、パキスタン、イラン、アフガニスタンが加盟申請中。アフガニスタン以外の4カ国はオブザーバーとして参加している。

●歴史:国境問題協議の場→戦略的色彩&安全保障→地域連合・エネルギー連合??
①国境問題協議

もともとは、ソ連崩壊を受けて、中央アジアと中ロが国境トラブルの予防および過激派出入りの封鎖のために集まった上海ファイブが前身。
構図は、ロシア依存から抜け出そうとする中央アジア、そこに接近する中国、待ったをかけるロシアというもの。(朝日)

②戦略的色彩&安全保障
中国が中央アジア横断パイプラインを敷設したことで戦略的色彩を帯び始め、さらに中央アジアに米軍基地が出来たことで安全保障上の意味も生まれた。

③地域連合・エネルギー連合??

現在では6カ国の求心力が強まり、米国に対する警戒感で一致している。
構図としては、中央アジアは米欧の干渉を防ぐため中ロに頼る。中ロは好機ととらえ地域結合強化を目指すという構図。(朝日)
また、オブザーバーを広げることで、地域連合としての範囲も広げている。
キルギスはパイプライン通過国であり、そこに大量石油消費国のインド、産油国のイランをとりこむことで、エネルギー協力戦略を広げている。(毎日)

●強まる反米色?
産経・読売・毎日は、「反米色が強まっている」と見ている点で一致している。
中国は「善隣友好、平和、民主の原則、域外に開かれたSCO」「軍事集団にはならない」と強調しているが、反米色が強まっていると判断できる理由はいくつかある。

①今回の共同宣言の内容
今回の共同宣言では「政治・社会体制や価値観の違いが他国の内政に干渉する口実とされるべきではない」「社会発展のモデルは輸出できない」という表現がとられている。
これは確実にアフガニスタンおよびイラクへ軍事攻撃をし、イランの核問題も問題視するアメリカを意識してのことだろう。

②参加国、関連国の内政
ウズベキスタン:米軍基地撤去を宣言。
イラン:核問題でアメリカと激しく対立。
さらに中ロなど参加国の大半が強権、独裁支配である(読売・産経)

③アフガニスタンのオブザーバー拒否
アフガニスタンは5カ国の加盟申請国のうち唯一オブザーバー参加を認められていない。
これは政情不安などもあるだろうが、カルザイ政権とアメリカの結びつきの強さも関係しているだろう。

●反米には成りきれない内情(読売)
一方で反米色を強め過ぎることは出来ない内部の事情を読売新聞が指摘する。曰く。
オブザーバーのインド・モンゴルは対米関係強化に動いている。SCOが反米連合へと傾斜すればこうした国々がSCOと距離を置く可能性もある。
また、参加各国の中国への警戒感の高まりや、中ロ両国の思惑のズレもある。
そのため足並みをそろえた動きは出来にくい。

●日本にとってのSCO
米国と同盟を結んでいる日本にとっては、
①地域が近い
②SCOが反米色を強めている
という2点において、注目せざるを得ないと思う。
エネルギー戦略面からみて注目すべきかはわからない。誰か教えてください。

●日本がとるべき道
■対SCO
①中央アジアなどSCO参加国との関係を個別に緊密化(対立)
②オブザーバー参加など、SCOとの関係を重視する(融和)
■対SCO外
③日米同盟を軸に地域の勢力均衡変化に対する備え
④SCO非参加のアジアの国々と関係を緊密化

などがあると思う。読売は明言せず。朝日は②、産経は①、③を取るべきという立場。④は特になかった。
面白いのは毎日で、まず何よりもアフガンの安定を回復することが必要、と主張している。どういうことなのかよく読めない。。誰か解説してください。

1 Comments:

At 2:43 午前, Anonymous hirohitic said...

面白いなこの記事。俺も前から上海協力機構は気になってた。

で、日本の戦略的には、
①中国が中央アジアで石油を確保できれば尖閣諸島のガス田問題に好影響があるかも。
②中国が中央アジアと組んでロシアと対立してくれれば、太平洋に対して割ける政策資源が減るから日本は漁夫の利。
だから、日本はこれを応援してあげても良いんじゃないかなあ?あんまり分断しても良いことはない気がする。

 

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