日曜日, 6月 18, 2006

社説読み比べ0618

毎日・朝日がともに上海協力機構の話題。毎日は先だって一面を割いて解説をしていた。
また、読売・日経は自民党総裁選について、通常の2倍の紙面を割いて社説を繰り広げた。
自民総裁選については、昨日に産経・毎日が社説で取り上げたので、残すは朝日のみとなった。
産経は北朝鮮人権法について。

■朝日
上海協力機構:開かれた組織を目指せ
もともとはソ連崩壊により、中央アジアと中ロが国境トラブルの予防および過激派出入りの封鎖のために集まったもの。ロシア依存から抜け出そうとする中央アジア、そこに接近する中国、待ったをかけるロシアという構図だった。
現在では6カ国の求心力が強まり、米国に対する警戒感で一致。今回の共同宣言では「政治・社会体制や価値観の違いが他国の内政に干渉する口実とされるべきではない」「社会発展のモデルは輸出できない」と書かれている。
中央アジアは米欧の干渉を防ぐため中ロに頼る。中ロは好機ととらえ地域結合強化を目指す。さらにオブザーバーとしてモンゴル・インド・パキスタン・イランを迎える。
しかし地政学的思惑をあまり突出させると国際関係が緊張する。
風通しのいい域外に開かれた結びつきにするよう求める。欧米や他のアジア諸国との対話を進めるべきだ。
日本は①中央アジアと独自の結びつきを深める、②SCOとの関係を重視する(オブザーバー参加など)、の道があるが、②の選択肢を考えるべきだ。
日本の出来ることは多い。

揺れる市場:舵取り役が試される

■毎日
上海協力機構:開かれた中央アジア目指せ
創設5周年のSCOでは中ロをリーダーとする「エネルギー連合に」との声が上がっている。
しかし「閉ざされた地域連合」が出来るなら日本は無関心でいられない。開かれた地域協力を志向すべき。
SCOはもともと国境問題協議の場だったが、中国が中央アジア横断パイプラインを敷設したことで戦略的色彩を帯び始めた。さらに中央アジアに米軍基地が出来たことで安全保障上の意味も生まれた。
石油消費国インド、産油国イラン、パイプライン通過国のキルギスを取り込むことでエネルギー協力戦略を広げた。
ウズベクは米軍基地撤去を宣言し、米国と対立するイランもオブザーバー参加している。
日本は中央アジアに対し、中ロのような利害関係を持つことは出来ないが、中央アジア各国にSCOを開かれたものにするよう働きかけるべき。そのためにもまずアフガンの安定を回復することが必要。

エレベーター事故:安全情報共有のルール作れ
シンドラー社にはさらに徹底した調査と情報公開を行う責務あり。国交省諮問機関の社会資本整備審議会は行政・業界の課題を精査し、エレベータ全体の安全性確立を急ぐべき。
①構造上の責任を負うメーカと保守点検担当のメンテナンス業者との間の情報共有システムが法制上ない。共有のルール構築が急務。
②業界の閉鎖性を改善せよ。

■産経
北朝鮮人権法:制裁へ与野党が知恵絞れ
北朝鮮人権法が与野党協力で成立した意義は大きい。
横田めぐみさんの遺骨問題での経済制裁発動はタイミングを逸した。
今度こそ北に拉致問題解決を迫る手段として有効に機能させるべきだ。
テポドン2号発射準備問題に関しても、米国と連携しての経済制裁準備を急ぐ必要がある。
拉致事件は国家犯罪であり解決は全国民の願い。経済制裁発動に向け、政府と与野党の協力を望む。

B型肝炎訴訟:国は早急に支援策提示を
最高裁判決の意味は極めて大きい。評価したい。国は最善の医療を尽くすとともに、医療費の経済的負担軽減など、早急に具体的な患者支援策を提示すべきだ。

■読売
自民党総裁選:『小泉改革』の総括も論点だ
人口減が進む中で、どう日本の活力を保ち、平和と繁栄を維持するのか。ポスト小泉の課題は多く責任は重い。自民党という一政党の枠を超えた重要な意義を持つ総裁選である。
将来の安定した経済社会への道筋や必要な政策体系は未だ定まっていない。
郵政民営化の成否は、完全民営化される10年後にならなければ分からず、道路公団改革も不採算道路を作らないという目的を達してはいない。
「小泉構造改革」を総括しつつ今後の進路の建設的論戦が何より大事だ。次期政権は経済の持続的安定成長路線を定めなければいけない。
①格差:どの程度なら容認できるか、是正が必要かを考えるべきだ。
健全かつ公正な経済社会を作る必要がある。
②規制緩和:行過ぎた規制緩和は見直さなければいけない。
③社会保障制度と税財政改革:最重要課題。
増税なしには改革は困難。谷垣氏は早期の消費税率引き上げを明言しているが、候補者は自らの考えを明確にすべきだ。参院選を念頭に増税・公共事業予算限を避けるべきという主張があるのは懸念材料。アメを温存するのは責任がない。
④外交:アジア外交が大きな争点
日米同盟強化と、国民に「国家意識」を浸透させたこと(北朝鮮拉致問題に関して)、この二つは小泉政権の実績。継承・深化させるべき。
一方中国が靖国参拝問題を政治カードとして利用し、日中関係は冷え込んだ。日中の適切な関係構築は最重要外交課題である。
靖国参拝は争点にすべきではない。中国の政治カード利用を助長させ、後継首相の対中外交を制約する恐れもあるため。
⑤政治制度:健全な政党政治システムをどう構築するか。
⑥憲法:議論を戦わせてほしい。

■日経
政策の旗を掲げてポスト小泉を争え

①小泉改革継承せよ
来年の参院選を控え、公共事業予算削減に反対する声が強まるなど、小泉改革に逆行する動きが目立つが、「小さな政府」に向けた一連の改革は自民党がマニフェストに明記したもの。改革の後退は許されない。
②外交:アジア外交建て直しが最重要課題
安倍・麻生は靖国参拝支持、福田・谷垣は慎重。与謝野はA級戦犯分祀。各候補は靖国問題やアジア外交のビジョンを丁寧に説明すべき。
③財政歳出削減と増税のバランスを明確に示せ
安倍・麻生は歳出削減重視、福田・谷垣は消費税増税。
09年度に基礎年金国庫負担を1/3から1/2に引き上げるための財源確保をどうするか、基礎的財政収支黒字化の後の財政再建目標をどこにおくのか、議論を深めるべきだ。
④その他
経済成長政策や少子高齢化への対応、在日米軍再編問題などの論議も尽くせ。
⑤まとめ
「新しい日本を作る国民会議」(21世紀臨調)は党首マニフェストを作るよう求めている。派閥による総裁選は過去のもの。政策本位の総裁選が実現するよう期待したい。

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